大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和28年(あ)4317号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人小泉英一の上告趣意第一点について。

所論は、違憲をいうがその実質は単なる刑訴法違反の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第二点について。

刑訴法四八条二項に「公判期日における審判に関する重要な事項」とは、ことがら自体から見て訴訟法上重要な意義をもつ事項をいうのではなく、特に公判調書に記載しておくことを必要とする事項と解するのが相当であり、そしていかなる事項がこれに該当するかは、刑訴法は裁判所規則の定めるところに委ねているのである。この点に関する原審の判断は正当であり、所論違憲の論旨は畢竟独自の見解に基くものでその前提を欠き、上告適法の理由とならない。

同第三点、第四点は事実誤認の主張であり、同第五点は量刑不当の主張で、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田 克)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例